肺炎
咳や痰(たん)が出たり、さらに頭痛、発熱、鼻水、関節痛、だるさなどの風邪と同じような症状が見られます。細菌やウィルスなどの病気を起こす微生物(病原微生物)が肺に入り感染し、肺が炎症を起こしている状態を「肺炎」と言います。
病原微生物の多くは空気と一緒に身体の中へ入ってきます。普通は人間の身体に備わっている様々な防御機能が働いてこれを排除しますが、何らかの原因で体力や抵抗力が落ち、病原微生物の感染力のほうが上回ると肺炎になります。
食欲の低下、脱水症を起こすこともあり、重症になると呼吸困難をきたすこともあります。高齢者は症状が食欲不振や元気がないなどのみの場合もあり、注意が必要です。
また、肺炎は、がん、心臓病などとともに、日本人の死亡原因の上位になっている病気です。高齢者や慢性の病気を持っている方などは、とくに肺炎にかかりやすい傾向があります。予防や早めの治療が重要です。
気管支喘息
気管支喘息はアレルギーやウィルス感染など、様々な原因で気管支の炎症が慢性化し、気道が狭くなることで、ゼーゼー、ヒューヒューが起こったり、慢性的に咳が持続したりします。一般的に「喘息」と呼ばれている病気です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に呼吸が10秒間以上停まることが繰り返しておき、一晩7時間の睡眠で30回以上、あるいは1時間あたり5回以上無呼吸が起こるものをいいます。
この病気は、日中の眠気、熟睡感のなさなどの他、高血圧症や心臓病や脳血管疾患を悪化させます。できるだけ早く診断し、治療を始める必要があります。
主な症状
その他の症状
- トイレに起きる
- 起床時の頭痛
- 熟睡感がない
- 集中力の低下
- 夜間、苦しくて目を覚ます
- 寝相が悪い
肺気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患 (COPD) は、たばこの煙などに含まれる有害物質に長期間曝露されることにより肺が持続的な炎症を起こし、呼吸機能の低下などを引き起こす、肺気腫や慢性気管支炎といった疾患の総称です。原因のほとんどが喫煙であることから、生活習慣病のひとつとして注目されています。COPDは中高年が発症することが多いですが、なかでも高齢になってから発症するケースが増加しています。
肺気腫は、肺を構成する最小単位である肺胞が進行性に破壊され、大小多数の空洞様の病変(気腫)が肺内に生じてしまいます。肺の構造は一旦壊れてしまうと再生はされず、禁煙後でも、徐々に肺胞の破壊が進むため、最初は労作時の息切れから、そして徐々に安静時でも息切れが起こるようになり、酸素吸入が必要になることもあります。たばこによる肺障害を引き起こす程度は個人間で大きな差があり、遺伝的な要因も強いです。
治療は何よりも禁煙で、進行が遅くなる事が知られています。次に炎症をおさえたり、気管支拡張の作用をもつ吸入薬などです。呼吸リハビリも有効ですが、進行すると、どうしても酸素が手放せなくなり日常生活に大きな制限が起こります。
胸水
胸水の原因は様々です。心不全や腎不全などで起こる漏出性胸水と肺癌や結核、肺炎などによる炎症が中心の滲出性胸水に大きく分類されます。
診断の為にはレントゲンやエコーを使って、胸水を少量採取し検査を行います。検査は局所麻酔で行い、約10分程度で終了します。検査結果判明に数日を要しますが、多くはどのような原因で溜まっているのかわかり、原因疾患に応じた治療を行います。
肺がん
肺がんは、気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したものです。 進行すると、がん細胞は周りの組織を壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れにのって転移することもあります。「この症状があれば必ず肺がん」という症状はありません。症状がないうちに進行していることもあります。咳や痰、痰に血が混じる、発熱、息苦しさ、動悸、胸痛などが症状としてあげられますが、いずれも肺がん以外の呼吸器の病気にもみられる症状です。複数の症状がみられたり、長引いたりして気になった場合は、早めに受診しましょう。